【賃貸のガス選び】プロパンガスvs都市ガス!料金・メリット・デメリットを徹底比較

賃貸物件を探す際や、現在のガス代に疑問を感じている方へ。「プロパンガス」と「都市ガス」、それぞれの違いを正しく理解していますか?この記事では、賃貸物件におけるプロパンガスと都市ガスの料金、メリット・デメリットを徹底的に比較解説します。一般的にプロパンガスは都市ガスより料金が高くなりがちですが、その理由や、それぞれの特性、そして災害時の復旧状況まで、賃貸物件でガスを選ぶ際に知っておくべき情報を網羅。入居後に後悔しないためのガス選びのポイントもご紹介します。この記事を読めば、あなたのライフスタイルに最適なガス種別を見極め、月々のガス代を賢く抑えるヒントが得られるでしょう。

目次

1. 賃貸物件のガス種類を知る

賃貸物件を探す際、家賃や間取り、立地条件など様々な要素を考慮しますが、意外と見落とされがちなのが「ガスの種類」です。日本国内の賃貸物件で主に利用されているガスは、大きく分けて「プロパンガス」と「都市ガス」の2種類があります。これらのガス種別は、毎月のガス料金や利用できるガス機器、さらには災害時の復旧状況にまで影響を及ぼすため、入居前にしっかりと理解しておくことが非常に重要です。

1.1 プロパンガスとはどのようなガスか

プロパンガスは、液化石油ガス(LPG: Liquefied Petroleum Gas)とも呼ばれ、プロパンやブタンなどを主成分とするガスです。ガスボンベに充填された状態で各家庭に配送され、設置されたボンベから供給されます。そのため、都市ガスの供給が難しいエリアや、地方の物件で多く採用されているのが特徴で、全国どこでも供給が可能です。

空気よりも重い性質を持つため、万が一ガス漏れが発生した場合は低い場所に滞留しやすいという特性があります。また、都市ガスと比較して発熱量(カロリー)が高いため、同じ使用量であればより大きな熱量を得られるという特徴も持ち合わせています。プロパンガスは「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液化石油ガス法)」に基づいて供給・管理されています。

1.2 都市ガスとはどのようなガスか

都市ガスは、主に天然ガス(メタンを主成分とする)を原料としたガスです。地下に埋設されたガス導管を通じて各家庭に供給されるため、ガスボンベの設置スペースが不要で、供給が安定しているというメリットがあります。主に都市部や人口密集地で普及しており、広範囲にわたって供給インフラが整備されています

空気よりも軽い性質を持つため、ガス漏れが発生した場合は天井付近に拡散しやすいという特性があります。発熱量はプロパンガスに比べて低いですが、供給コストが比較的安定しているため、一般的にプロパンガスよりも料金が安価な傾向にあります。都市ガスは「ガス事業法」に基づき、公共料金としての性格も持ちながら供給・管理されています。

ここで、プロパンガスと都市ガスの主な違いを以下の表で比較してみましょう。

項目 プロパンガス(LPG) 都市ガス(天然ガス)
主成分 プロパン、ブタン メタン
供給方法 ガスボンベを配送・設置 地下のガス導管
供給エリア 全国(都市ガス未供給地域含む) 都市部、人口密集地
空気との比重 空気より重い 空気より軽い
発熱量 高い 低い
料金傾向 比較的高い傾向 比較的安定・安価な傾向
法規制 液化石油ガス法 ガス事業法

1.3 賃貸でガス種別が重要な理由

賃貸物件においてガスの種類を把握することは、毎月の生活費に直結する重要な要素です。プロパンガスと都市ガスでは料金体系や単価が大きく異なるため、同じガス使用量でも月々のガス代に大きな差が生じることが少なくありません。

また、使用できるガス機器にも違いがあります。ガスコンロや給湯器などは、ガスの種類(プロパンガス用か都市ガス用か)によって互換性がありません。引っ越し時に現在使用しているガス機器を継続して使いたい場合や、新たに購入する際に、物件のガス種別を確認しておく必要があります。

さらに、災害時の復旧状況も異なります。都市ガスは大規模な導管網が損傷すると復旧に時間がかかる場合がありますが、プロパンガスは個別のボンベ交換で対応できるため、比較的早期に復旧する可能性があります。しかし、ボンベの供給が滞る可能性も考慮する必要があります。これらの点を総合的に理解し、自身のライフスタイルや重視するポイントに合わせて物件を選ぶことが賢明です。

2. プロパンガスと都市ガスの料金を比較

賃貸物件でガス代を考える上で、プロパンガスと都市ガスの料金体系を理解することは非常に重要です。両者には、料金の仕組み、価格設定、月々の支払い額に大きな違いがあります。

2.1 基本料金と従量料金の違い

プロパンガスも都市ガスも、ほとんどの場合、「基本料金」と「従量料金」を合計した二部料金制でガス料金が算出されます。

基本料金とは、ガスの使用量にかかわらず、毎月定額で発生する料金のことです。これには、ガスボンベやガスメーター、調整器、高圧ホース、供給配管といった供給設備の償却費用や、設備の点検・調査、検針にかかる保安費用などが含まれます。たとえガスを全く使用しなかった月でも、基本料金は請求されます。

一方、従量料金とは、ガスの使用量に応じて変動する料金です。これは、「従量単価(1m³あたりの料金)」に「ガス使用量(m³)」を乗じて計算されます。従量単価には、ガスの原料費や配送費などが反映されており、使用量が増えれば増えるほど、従量料金も高くなります。

2.2 プロパンガス料金が高くなりがちな理由

プロパンガス料金が都市ガスに比べて高くなりがちなのには、いくつかの構造的な理由があります。

  • 自由料金制であるため
    プロパンガスは、国や自治体による料金規制がない「自由料金制」が採用されています。そのため、各ガス会社が自由に価格を設定でき、同じ地域や使用量であっても、契約するガス会社によって料金が大きく異なることがあります。この自由度の高さが、結果として料金の高騰を招く一因となっています。
  • 供給コストが高い
    プロパンガスは、液化されたガスが充填されたガスボンベを各家庭に配送する方式です。このため、ボンベの配送費、人件費、定期的な交換や点検にかかる費用などが料金に上乗せされます。都市ガスのように地下の導管を通じて供給される場合と比較して、個別の配送・管理コストが割高になるのです。また、供給設備の設置費用が初期費用として請求されることは少ないものの、その費用が毎月のガス代に少しずつ上乗せされているケースもあります。
  • 価格競争が働きにくい
    プロパンガス業界では、特定の地域で限られたガス会社が供給していることが多く、競争原理が働きにくい場合があります。これにより、価格が適正水準よりも高めに設定されやすい傾向があります。

2.3 都市ガス料金が安定している理由

都市ガス料金がプロパンガスと比較して安定しているのには、主に以下の理由が挙げられます。

  • 導管による効率的な大量供給
    都市ガスは、道路の下に張り巡らされたガス導管を通じて、各家庭に直接ガスを供給します。一度インフラが整備されれば、大規模かつ効率的にガスを供給できるため、個別の配送コストがかかりません。この効率性が、料金の安定に大きく寄与しています。
  • 公共料金としての側面
    かつて都市ガスは公共料金として扱われ、料金は国の認可制でした。2017年のガス小売全面自由化以降は、料金規制が撤廃されたものの、安定供給の確保や透明性の高い価格決定プロセスは維持されており、急激な値上げは起こりにくい傾向にあります。
  • 原料費調整制度の導入
    都市ガス料金には、ガスの原料である液化天然ガス(LNG)の輸入価格や為替レートの変動を料金に反映させる「原料費調整制度」が導入されています。これにより、原料価格の変動を速やかに料金に転嫁することで、ガス会社の経営を安定させ、長期的な料金の安定化につながっています。ただし、原料価格の変動が料金に反映されるまでには、通常3ヶ月から5ヶ月程度のタイムラグがあります。

2.4 月々のガス代の目安と差額

プロパンガスと都市ガスでは、料金体系だけでなく、ガスの発熱量にも違いがあります。一般的に、プロパンガスは都市ガスの約2.2倍から2.23倍の発熱量を持つため、単純に同じ使用量(m³)で比較すると誤解を招くことがあります。同じ熱量を使用した場合、プロパンガスは都市ガスよりも割高になる傾向にあります。

以下に、一般的な家庭における月々のガス代の目安と、両者の差額をまとめました。実際の料金は、地域、契約しているガス会社、世帯人数、使用量、季節によって変動します。

項目 プロパンガス 都市ガス
基本料金の目安(月額) 約1,700円~2,000円 約900円~1,000円
従量料金単価の目安(1m³あたり) 約500円~700円 約150円~200円
月々のガス代目安(一般的な家庭) 約7,500円~9,000円 約3,000円~5,000円
同等の熱量で比較した場合 プロパンガスの約1/1.5~1/2.23倍

上記の表からわかるように、月々のガス代はプロパンガスの方が都市ガスよりも高くなる傾向にあります。同じ熱量で比較した場合、プロパンガスは都市ガスの1.5倍から2倍以上高くなることが一般的とされています。特に冬場はガス使用量が増えるため、この差が顕著に現れることがあります。

3. プロパンガスのメリットとデメリット

賃貸物件でプロパンガスを利用する場合、都市ガスにはない独自のメリットとデメリットが存在します。これらの特性を理解することは、快適な暮らしと家計管理において非常に重要です。

3.1 プロパンガスのメリット

プロパンガスには、主に以下のメリットが挙げられます。

  • 供給エリアが広い:都市ガスの導管が整備されていない地域でも、プロパンガスは個別のガスボンベを設置することで利用可能です。これにより、山間部や地方の物件でもガスの恩恵を受けられます。
  • 災害時の復旧が比較的早い:プロパンガスは各戸に設置されたガスボンベから供給される「分散型エネルギー」であるため、地震や台風などの大規模災害時においても、広範囲に影響が及ぶ都市ガスと比較して、個別の点検・復旧作業が行われやすく、供給再開が早い傾向にあります。東日本大震災や熊本地震でも、プロパンガスは比較的迅速に復旧した実績があります。
  • 高火力を得やすい:プロパンガスは都市ガスよりも熱量が高く、1m³あたりの発熱量は都市ガスの約2倍とされています。そのため、瞬間的に大きな火力を必要とする調理などでメリットを感じられることがあります。

3.2 プロパンガスのデメリット

一方で、プロパンガスには以下のようなデメリットも存在します。

3.2.1 ガス料金が高い傾向

プロパンガスの料金は、都市ガスと比較して高くなる傾向があります。この理由にはいくつかの要因が絡んでいます。

  • 自由料金制であること:プロパンガスは、国や自治体による料金規制がない「自由料金制」です。そのため、ガス会社が自由に料金を設定できるため、会社や地域によって料金に大きな差が生じやすく、透明性が低いと感じられることがあります。
  • 料金の内訳とコスト:料金は一般的に、毎月固定でかかる「基本料金」と、使用量に応じてかかる「従量料金」で構成されます。プロパンガスの場合、ガスボンベの配送費、検針費用、設備投資費用、保安管理費などが料金に上乗せされるため、基本料金や従量料金単価が都市ガスよりも高く設定されていることが一般的です。
  • 価格競争が働きにくい:都市ガスのように複数の会社が競合することが少なく、特定の地域では供給会社が限られるケースがあります。そのため、価格競争が働きにくく、料金が高止まりしやすい傾向にあります。

具体的な料金体系の違いについては、以下の表を参考にしてください。

項目 プロパンガス 都市ガス
料金体系 自由料金制 公共料金に近い規制料金制
基本料金 高い傾向 比較的安い傾向
従量料金単価 高い傾向 比較的安い傾向
供給方法 ガスボンベを各戸に設置 地下の導管網を通じて供給

この料金の高さは、月々の生活費に大きく影響するため、賃貸物件を選ぶ際には特に注意が必要です。

3.2.2 賃貸でのガス会社変更の難しさ

賃貸物件でプロパンガスを利用している場合、入居者がガス会社を自由に選んだり、変更したりすることは非常に困難です。

  • 大家さんや管理会社との契約:多くの場合、賃貸物件のガス設備は大家さんや管理会社が導入しており、特定のプロパンガス会社と一括で契約しています。このため、入居者個人が勝手にガス会社を変更することはできません。
  • 設備投資の回収:プロパンガス会社は、物件にガスボンベや配管などの設備を設置する際に初期費用を負担していることが多く、その費用をガス料金に上乗せして回収しています。そのため、簡単に契約を解除されることを避ける傾向にあります。
  • 交渉の余地は限定的:稀に、大家さんや管理会社に料金交渉を依頼できるケースもありますが、基本的には契約変更は難しいと考えるべきです。引っ越しを検討する際には、事前にガス会社や料金体系を確認することが重要です。

4. 都市ガスのメリットとデメリット

賃貸物件を選ぶ上で、都市ガスかプロパンガスかは重要な判断基準となります。ここでは、都市ガスが持つ具体的なメリットとデメリットを詳しく解説し、物件選びの参考にしていただけるよう、多角的な視点から掘り下げていきます。

4.1 都市ガスのメリット

都市ガスには、賃貸生活において経済的、環境的、そして利便性の面で多くの利点があります。

  • 4.1.1 料金の安定性と経済性

    都市ガスは、地下に張り巡らされたガス管を通じて供給されるため、プロパンガスのように配送コストがかかりません。この効率的な供給システムと、公共料金としての性格から、プロパンガスと比較して月々のガス料金が安価で安定している傾向にあります。 特に、ガス使用量が多い家庭では、この料金差が家計に大きく影響するでしょう。2017年4月の都市ガス自由化以降は、複数のガス会社から自由に選択できるようになり、競争原理によってさらに料金プランの多様化やサービス向上が進んでいます。

  • 4.1.2 環境への配慮

    都市ガスの主原料はメタンを主成分とする天然ガスです。天然ガスは、石油や石炭などの他の化石燃料と比較して、燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、環境負荷が低いという特徴があります。 また、硫黄分などの不純物が少なく、燃焼時に酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)の発生もほとんどないため、地球温暖化対策や大気汚染の軽減に貢献するクリーンなエネルギーと言えます。

  • 4.1.3 供給の安定性と利便性

    都市ガスは、地下のガス管を通じて各家庭に直接供給されるため、プロパンガスのようにガスボンベの交換が不要です。これにより、ガス切れの心配がなく、いつでも安定してガスを利用できるという大きなメリットがあります。 また、敷地内にガスボンベを設置する必要がないため、建物の外観がすっきりし、ボンベの設置スペースを有効活用できる点も賃貸物件においては魅力です。

  • 4.1.4 高い安全性

    都市ガスは空気よりも軽いため、万が一ガス漏れが発生した場合でも、室内の上方に拡散しやすく、窓を開けるなどの換気によって屋外に排出されやすい性質があります。 さらに、ガス会社はガス管の定期的な点検や、震度5相当以上の地震を感知すると自動的にガスを遮断するマイコンメーターの設置など、安全対策を徹底しています。 これらの取り組みにより、都市ガスは高い安全性を確保しています。

4.2 都市ガスのデメリット

多くのメリットがある一方で、都市ガスには利用上の制約や特定の状況下での課題も存在します。

  • 4.2.1 供給エリアの限定

    都市ガスは、地下に大規模なガス管(導管)を敷設するインフラ整備が必要なため、供給エリアが都市部や人口密集地域に限定されます。 地方や郊外、山間部など、ガス管が整備されていない地域では都市ガスを利用することができません。賃貸物件を探す際には、希望するエリアが都市ガスの供給対象かどうかを事前に確認することが非常に重要です。

  • 4.2.2 災害時の復旧に時間を要する可能性

    大規模な地震や災害が発生し、広範囲にわたる地下のガス管が損傷した場合、その復旧には時間を要することがあります。 プロパンガスが個別のガスボンベ交換で対応できるのに対し、都市ガスは損傷箇所の特定から修理、そして各家庭の安全確認まで、広範囲で複雑な作業が必要となるため、供給再開までに時間がかかる傾向があります。 東日本大震災の事例では、都市ガスの復旧に数週間から数ヶ月を要した地域もありました。

  • 4.2.3 ガス機器の互換性

    都市ガスとプロパンガスでは、ガスの種類や発熱量が異なるため、それぞれに適合するガス機器が必要となります。 例えば、プロパンガス用のガスコンロや給湯器を都市ガスで使用する場合、部品の交換や調整を行わなければなりません。これは引っ越しなどでガスの種類が変わる際に、追加費用や手間が発生する可能性があることを意味します。

4.3 都市ガスのメリット・デメリット比較表

都市ガスの主なメリットとデメリットを以下の表にまとめました。賃貸物件選びの際に比較検討する際の参考にしてください。

項目 都市ガスのメリット 都市ガスのデメリット
料金 プロパンガスより安価で安定している傾向 なし
環境性 CO2排出量が少なく、環境負荷が低い なし
供給方法 ガス管からの安定供給、ガス切れの心配なし 供給エリアが都市部に限定される
安全性 空気より軽く拡散しやすい、安全対策が充実 なし
災害時 なし 大規模災害時の復旧に時間を要する可能性
機器 なし プロパンガス機器との互換性がない

5. 賃貸物件でガスを選ぶ際のポイント

賃貸物件を選ぶ際、家賃や間取り、立地条件などに目が行きがちですが、ガスの種類も重要な検討ポイントです。ガスの種類によって、月々の光熱費や使用できるガス機器が大きく変わるため、入居後の生活に直結する要素となります。後から変更することが難しい場合がほとんどなので、物件探しの段階でしっかりと確認することが賢明です。

5.1 物件探しでガス種類を確認する重要性

賃貸物件のガスの種類は、入居後の生活費や快適さに大きく影響します。特に、月々のガス料金は家計を圧迫する可能性もあるため、物件契約前に必ず確認すべき項目と言えるでしょう。

ガスの種類を確認する方法はいくつかあります。

  • 物件情報や重要事項説明書で確認する: 多くの物件では、不動産会社が提供する資料にガスの種類が明記されています。不明な場合は、担当者に直接問い合わせましょう。
  • 物件の外観で判断する: プロパンガス(LPガス)の場合、多くは屋外にガスボンベが設置されています。集合住宅の場合、集合型のガスボンベが置かれていることもあります。ガスボンベが見当たらない場合は、都市ガスの可能性が高いです。
  • ガスメーターで判断する: ガスメーターの種類によっても判別できる場合があります。
  • ガス漏れ警報器の位置で判断する: 都市ガスは空気より軽いため、ガス漏れ警報器は天井付近に設置されます。一方、プロパンガスは空気より重いため、床付近に設置されます。内見時に警報器の位置を確認するのも有効な手段です。
  • ガス機器のシールを確認する: 備え付けのガスコンロや給湯器に貼られているシールには、対応するガスの種類が記載されていることがあります。

これらの方法で事前にガスの種類を把握し、自身のライフスタイルや予算に合った物件を選ぶことが、後悔しない賃貸選びの鍵となります。

5.2 入居後にガス種類を変更できるか

賃貸物件に入居した後で、ガスの種類(例:プロパンガスから都市ガスへ)を変更することは、基本的に不可能と考えておくべきです。その理由は主に以下の点が挙げられます。

  • オーナー(貸主)に決定権がある: 賃貸物件のガス契約に関する決定権は、入居者ではなくオーナーにあります。ガスの種類を変更するにはオーナーの許可が必要ですが、多額の費用や手間がかかるため、オーナーが応じることは稀です。
  • 建物全体で設備を共有している: 集合住宅では、建物全体で一つのガス供給設備を共有しています。個別の部屋だけガスの種類を変更することは、配管工事などの設備面で構造上困難です。
  • 大規模な工事が必要となる: 特にプロパンガスから都市ガスへの変更は、新たなガス管の敷設工事が必要となり、建物全体に影響を及ぼす大規模な工事となります。これは費用も時間もかかるため、現実的ではありません。

都市ガスの自由化により、都市ガス会社自体は自由に選べるようになりましたが、これはあくまで「都市ガス」という種類の範囲内での話であり、ガスの種類そのもの(都市ガスとプロパンガス)を切り替えることとは異なります。したがって、ガスの種類にこだわりがある場合は、物件探しの段階で希望のガス種類の物件を選ぶことが最も重要です。

5.3 ガス機器の互換性について

都市ガスとプロパンガスは、主成分や発熱量、供給圧力が異なるため、それぞれに対応したガス機器を使用する必要があります。異なる種類のガスに対応した機器をそのまま使用することは、故障や事故の原因となり大変危険です。

賃貸物件に備え付けのガスコンロや給湯器は、その物件のガス種類に合わせて設置されているため、そのまま使用できます。しかし、ご自身で持ち込むガスコンロやファンヒーターなどのガス機器を使用する場合は、物件のガス種類と互換性があるかを確認しなければなりません。

ガス機器の互換性については、以下の表を参考にしてください。

機器のガス種 賃貸物件のガス種 使用可否 備考
都市ガス用 都市ガス そのまま使用可能
都市ガス用 プロパンガス × 変換部品の交換(有償)が必要、または買い替え
プロパンガス用 都市ガス × 変換部品の交換(有償)が必要、または買い替え
プロパンガス用 プロパンガス そのまま使用可能

ガス機器によっては、内部の部品を交換することで別のガス種類に対応できる場合がありますが、これは専門業者による有償の作業が必要です。また、古いガス機器の場合、部品の供給が終了しており、変換ができない可能性もあります。引っ越しを機にガス機器を買い替える場合は、必ず物件のガス種類に対応した製品を選びましょう。

6. まとめ

賃貸物件におけるガスの選択は、毎月の生活費に直結する重要な要素です。一般的に都市ガスは料金が安く安定していますが、供給エリアが限られます。一方、プロパンガスは供給エリアが広く災害時の復旧も早いメリットがあるものの、料金は高めになる傾向があります。

賃貸物件では入居後にガス種別を変更することは困難なため、物件探しの段階で必ずガス種別を確認し、自身のライフスタイルや予算に合った選択をすることが賢明です。ガス機器の互換性も忘れずにチェックしましょう。

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